キスの代償
自身のキス場面の写真なんて、全く見たいものではない。
「いやはや、ずいぶんと情熱的な写真ですこと」
持参した雑誌をしげしげと眺めながら、黒羽はにやにやと笑った。その頭を小突くべきかまず雑誌を取り上げるべきか、悩んだ末に工藤は一つ小さなため息をついた。
「……あのな黒羽」
「最近のカメラって、本当性能よくなったよなー。ちょっと前までさ、こんな週刊誌に掲載されるモノクロ写真なんて、だれがだれだかよくわかんねぇもんばっかだったのにさ。や、そりゃ今も同じなのかな。ただのカメラマンの腕の違いかぁ?」
黒羽が感心するのももっともな程、確かに掲載されたその写真は、ピンボケの一つもないそれはわかりやすい物だった。まるで予め工藤がその場に現れることがわかっていたかのようにすら思えるが、探偵である工藤のその日の行動スケジュールなんて、工藤自身にすらわからない。完璧な偶然の結果なのだろう。だからこそ驚いた。
「にしても、オメーがこんなみすみすと写真を撮られるとはなぁ。それもこれ、写ってんの、今けっこうテレビに出てるモデルだろ? 羨ましいなおい」
「……言うことはそれだけか」
「気持ち良かったか?」
「黒羽」
頭が痛い。
しげしげと黒羽が眺め続ける雑誌を、今度こそ工藤は奪い取った。黒羽は何も言わず、ただわざとらしく肩をすくめた。その顔をどれだけ眺めても、ただいつもと変わらぬ黒羽の苦笑があるだけだった。
「……あのな、まずおまえに言わなきゃとは思ってたんだ。このモデルは今回の依頼人で、性質の悪いストーカーに狙われていると相談されて」
「で、オメーは探偵らしく捜査を重ねて犯人を探して、その間不安がる依頼人のアフターケアも怠らず、その結果勘違いをしたのかオメーに惚れたのかはわかんねぇけど、依頼最終日に無理やり迫られてキスされた、と」
「……おお」
その通りだった。
清楚な容姿で、モデルという職業の割にはそこまで背も高くはなかった。けれど、一度引き受けた以上仕事は仕事だ。仕事の枠を超えて親身になった覚えもなければ、特別な思い入れのあったわけでもない。
なのにこの様だった。
「オメーはなぁ、わかってねーんだよ。ストーカーに付きまとわれたなんつー危機的な状況で、自分を守ってくれるなんて男が身近にいたら、こうなったっておかしくはねぇだろうがよ。普段のオメーはともかく、名探偵工藤新一はまぁそれなりにいい男なわけだから?」
「危機的状況で、何で好きだの何だのが出てくんだよ」
「つり橋効果って言葉を知らねぇのかよ名探偵。危機的状況を共にくぐり抜けた男女は、恋愛感情を覚える確率が高いんだぜー?」
「……危機的状況を回避することだけを考えてろよ」
もちろんその言葉自体は知っていたが、なるほど、先日の依頼人にとっては、あれはその『つり橋』にあたっていたのかと、今更ながらに工藤は驚いた。日頃連続殺人や密室殺人、あるいは爆弾処理やテロリストなどの事件に関わってばかりいると、どうにも普通の感性が薄れてきていけない。
「で、工藤。この後はどうしたんだよ」
「どうしたって」
「またまたー、こんだけの美女に迫られて、まさかこのままってことはねぇだろー? ホテルかなんか行ったわけ? どうだった? こっそり教えろよおい」
「黒羽」
それはあまりに笑えない冗談だ。
感情のこもらない声で工藤が名前を呼べば、やりすぎたと思ったのか、黒羽は少しばかりばつの悪そうな笑顔を浮かべた。悪戯が見つかった時の子供の表情とよく似ていた。けれどすぐにまた笑顔が浮かぶ。
「……あー、冗談だって。ウソウソ。工藤がんなことする男じゃねぇって、オレはよくわかってんだからよ」
「ほんとかよ」
「そういう不誠実なことはしねぇだろ、おまえ」
しないよな? と。念を押しているわけでもなく。
ただそう静かに、黒羽が信じているような声音だった。少なくとも、今の工藤にはそう感じられた。
「……黒羽、オレ」
「それにさぁ、依頼人に手ぇ出すとか、考えなくても一番最悪なパターンだろ、それ? 噂なんかどっから流れるかわかんねぇもんだし、若いモデルが相手だと自ら言い出しかねねーしさ。大体、オメーがこのままホテルに行ってたりしたら、そこもばっちりカメラで撮られてるっつーの」
行かなくて良かったなぁ、と黒羽は笑う。
「―――」
一瞬胸に浮かんだ様々な感情が、次の瞬間見事なまでに霧散していくのが工藤はわかった。
「まあでも、そんな悲観することはねぇんじゃねーの? こうやって週刊誌のネタにされるっつーのもさ、そんだけオメーの知名度があるってことだし。今更この程度で、オメーへの依頼が減ったりもしねぇだろ。警察だって何だって、おまえの実力はわかってんだからさ」
まるで工藤を慰めているかのような台詞だ。いや、現にそうなのかもしれない。
週刊誌に隠し撮り写真が掲載されるだなんて、まったくもって嬉しいことではない。だからこそ、黒羽はこうして傷心の恋人を慰めにきたのだろう。その心遣いは嬉しい。嬉しいがしかし。
「ワイドショーも週刊誌も、すぐに次のネタを見つけるしなぁ。ま、気にすんなって。な?」
「……おう」
「まー、これでおまえに仕事が来なくなっても、そのぐらいオレが養ってやるし。うん」
大丈夫大丈夫、と黒羽は笑う。その笑顔は、まるきり高校生の頃から変わらない。安堵をおぼえる一方、工藤は内心で言葉に悩む。黒羽に手を伸ばしたいと思い、けれどそうすることもできない。
「まあ、でもなぁ? こんな美女相手っつーのは、同じ男としてどうかと思うけどな」
「こんなって……」
瞬きを一つ。
気付いた時には、黒羽の手には週刊誌があった。工藤は慌てて両手を動かす。そうして小さく舌打ちを漏らす。
マジシャンの恋人なんて、まったく持つものではない。何度そう思ったかわからないが、けれど工藤の愛する人はマジシャンであり、黒羽であるのだ。どうしようもない。
「羨ましいよなぁ」
工藤とモデルの、キス写真を見て黒羽はそんな台詞を漏らす。
何か他に。もっと他に。言うことは無いのだろうか。いくらでもあるのではないだろうか。
どうしてこんな羽目になったのかと。このモデルに気でもあるのかと。デートではなかったのかと。依頼人などというのは嘘ではないのかと。前にもこうしたことはあったのではないか。他に好きな相手がいるのではないか。浮気をしているのではないか。そんなことをいくらだって。いくらでも。
問い詰める権利が、黒羽にはあるというのに。
「いいなぁ」
工藤も黒羽も、元々同性を恋愛対象に置いているわけではない。男全般に性欲を覚えるというわけではない。ただ単に、好きになった相手が男だった。それだけのことだった。
元々の性癖は至ってノーマルであるからこそ、今までだって、どんな女性が好みであるかという話をしたこともあった。ごく簡単に。冗談めかして、黒羽からお勧めのAVを教えられたこともある。それなりに楽しんだ。黒羽はこういった女性が好きなのかと、ただ単純に思った。
工藤の先日までの依頼人は、その時のAV女優と少し似ていた。
そういうこともあるだろうと、割り切るには、まだ工藤は少しばかり青すぎた。
週刊誌にどんな記事を書かれようと、どんな写真を掲載されようと、日々は嫌がおうにも流れていく。
恋人の言った通り、キス写真が世間に出まわろうが、工藤の元に来る依頼が減るわけでもなかった。どんな記事が書かれようが、工藤がそれなりの実力を備えた探偵であることに代わりはなかったし、あるいは工藤に依頼をよせる、ある意味で窮地に立たされた人間にとって、その掲載記事はそこまで意味を持たないものであったのかもしれない。
真相はわからないが、とりあえず工藤の日々は変わらない。
多少纏わりつくカメラの台数が増えたような気もしたが、フラッシュをたかれることには、それこそ高校生の頃から慣れている。
「工藤さん! 今お付き合いの方は―――」
「いいお付き合いをされていると、そう解釈してもいいのでしょうかっ?」
飛び交う質問には、とりあえず笑顔で応えておく。マスコミを敵に回すわけにはいかないが、ご丁寧に答えてやる義理もない。どうせあと数日の辛抱だ。新しいネタが見つかれば、すぐさまマスコミはそちらに引きつけられる。そういうものだと知っている。
「工藤さん」
様々なレポーターが名前を呼ぶ。耳栓でもしてくるべきだったかと、後悔した時に、その声がふと耳に飛び込んできた。
白いワンピースが眩しかった。小首を傾げて小さく微笑む。その顔に見覚えはない。見覚えはないが、向けられる笑みはずいぶんと親しげなものだった。もしかしたら、どこかで会ったことがあるのかもしれない。
「工藤さん」
もう一度、名前を呼んで。
静かに、その女性は、こちらに向かって歩みを進めた。
「……あ」
見覚えのない顔だ。やはりそう思う。記憶力にはそれなりの自信があった。けれど、自惚れているわけではないが、一方的に顔を知られているという間柄も少なくはなかった。高校生の頃から顔が売れている以上に、何せ両親の知名度が飛び抜けている。
「……どこかで、お会いしましたか」
カメラには拾われない程度の小声で囁けば、いつの間にか正面に立っていた女性は、「あら」と鈴の音を転がすような声で笑った。
「嫌だわ、工藤さんったら」
「すみません」
反射的に謝ってしまった。女性はまた笑う。長いライトブラウンの髪が風に揺れる。
「工藤さんて、一度お会いした方の顔は、絶対に忘れない人だと思っていました。だって探偵さんなのだし」
「大体は、そうだと思うんですけど。でも、最近はお会いする方の数も多くて」
「―――探偵さんの脳にも、限界はあるのかしら?」
耳に心地よい笑い声だった。だから、聴き惚れてしまったなんてことはない。
ないはずだというのに、気づいたらその端整な顔が間近に迫っていた。迫っていたと、思った時には唇を重ねられていた。
「―――っ」
舌は軽く唇を撫ぜた。それだけだった。
戯れのように、すぐさま唇は離れた。春の嵐のようだった。ワンピースの裾を翻し、瞬く間にその姿は視界から消え去ろうとしていた。無意識の内に、工藤は足を動かしていた。
「くっ……待てっ!」
重い機材を抱えたスタッフが、追いつけるはずもなかった。運動神経には自信がある。それは、ワンピース姿の『彼女』にしても同じことだったろう。
幾つかの塀を軽々と飛び越えたところで、ようやく工藤はその腕を掴んだ。腹立たしいことに、相手は息切れ一つしていなかった。当然だと思いながらも、かすかな苛立ちを感じながらに、工藤はその姿を眺めた。
「……どういうつもりだ」
明るいライトブラウンの髪は、毛先だけが軽くカールしている。
風に、ワンピースの裾がひらひらと揺れる。覗く足は白い。日頃は長ズボンを履いているのだから当然とは思っても、揺れるレースの下、その足はずいぶんと艶めかしく見えた。
「どういう、って」
涼やかな声だった。
伸ばされた手が、そっと、工藤の頬に触れた。
「……そのままの意味だけど?」
「……っ」
声が変わる。いや、戻る。元の声へと。本来の声へと。―――男の、声へと。
その顔もその姿も、何も変わることない。色素の薄い茶髪は、変わらず風に揺れている。ワンピースの裾も同じように。
ただその表情だけが違う。浮かべる顔が。傲岸不遜なその笑みは、そこらの女性が浮かべるものではないと思う以上に、見覚えのあるものだった。工藤にとっては。見間違いなど、あるはずがなかった。
「……なに、してんだよっ!」
振り上げた拳は、塀へと振り下ろされた。ワンピースに身を包んだまま、恋人はにこりと微笑む。
「まあ、ご覧の通り」
「ご覧の通りっておまえ……さっき何して……周りに、どんだけのマスコミがいたと思って……!」
「ほんとはなー、正直不安だったんだけどな。一瞬でもおまえを誤魔化せるのかってな。でも、結果は予想外だったよなー」
「……うるせぇ!」
違和感は感じた。見覚えのない相手に感じる既視感。けれどそれ以上の何かを。
一番身近にいるであろう工藤でさえそれなのだ。あの場に集まったマスコミは、到底気づいてはいないのだろう。むしろ別のネタに、今頃は大騒ぎをしているはずだ。考えれば頭が痛い。思わず頭をかきむしってしまった。
「おい、工藤」
どこか慌てたように、手を伸ばしてくる。その手首を、工藤は問答無用で掴み上げた。
「……黒羽」
「な、何だよ」
「どうしてあんな真似をした」
「えー、工藤さんは美女とのキスがお好きなようだったからー?」
「黒羽」
目の前にあるのは見知らぬ顔だ。けれどそこに浮かんだ飄々とした笑みはずいぶんと慣れ親しんだもので、こうした笑顔を浮かべた時の黒羽が、そう簡単に口を割らないこともわかっている。
厄介な相手に惚れたものだ。時たま、どうしてこんな面倒な奴と付き合っているのか、工藤は自分自身がわからなくなる。確かに謎は好きだが、それを恋人まで求めているわけではない。
「……写真撮られたぞ」
腕を掴み上げられたまま、黒羽は小さく肩をすくめる。あれだけのマスコミがいる中に、堂々と黒羽は現れそうしてキスをかましたのだ。もちろんカメラを向けられていることにも気づいていただろう。―――いや、もしやそれが狙いだったのか。
何のために。その利点とは一体。
「まあまあ。おかげでほら、この前のモデルとの件は忘れられるだろ?」
「んなもん、ほっときゃいつか忘れられてたんだよ。それを別の女とのキス写真で上書きしてりゃ意味ねぇだろ!」
「そりゃあまあ……」
「……何なんだよ、オメーはほんとに……っ!」
昨日とはまた別の意味で頭が痛い。
一度のキス写真ぐらい、どうということもないだろうと思っていた。あくまで仕事面においては。けれど、こうも度々重なるようではそうもいかない。女性関係にだらしのない男だと思われることも心外だった。
「工藤」
「黙れ」
何を考えているのかわからない。
わからないがしかし、今顔を合わせているのは得策ではないと思った。苛立ちのままに殴ってしまいそうだった。キス現場ならともかく、この上女性に暴力をふるう等と騒がれてはたまらない。
「おまえはさっさと帰れ。二度とこんな真似すんじゃねぇよ」
「工藤、悪かったって」
「うるせぇ、喋るな」
「工藤……っ」
顔を見ないまま踵を返した。来た道をそのまま戻っては、どこでマスコミに会うかわからない。すぐにタクシーをつかまえるべきかと、考えていれば後ろから腕を掴まれた。
視界の隅に白いワンピースがちらつく。どれだけその服が似合っていようとも、女性そのものにしか見えなくとも、当然だがその力は男のものだ。工藤は舌打ちをもらした。
「離せって……っ」
「本当に悪かった。ただ、いいなって思っただけで、オレ……!」
この上もなく焦った顔だった。
顔が違う。姿が違う。なのに必死になって工藤の腕を掴んでいるその顔は間違いなく黒羽のもので、どうしていいのか一瞬工藤はわからなくなった。
ため息をついて、静かに尋ねた。
「……何だよ、いいなって」
「だから、ああいう写真が……」
「何とも思って無い依頼人に一方的にキスされて、それを撮られて、週刊誌に載せられるのが羨ましいって? とんだ趣味だな」
鼻で笑って、再び工藤は歩き出そうとした。黒羽の手は離れない。それどころか、余計に強く引きとめられた。
「ちげーよ! そういうことじゃなくて、だから、普通の女だったら、ああいう風にいつでもおまえにキスできるんだなって! そんで、熱愛発覚とかいって、周りから騒がれるんだなって!」
「……は?」
「だってオレはそんな風にできねぇじゃん! できるわけねぇじゃん! おまえのこと、変態だの何だのなんて書かれたくねぇし、オレは別にいいけど、周りが工藤のこと変に言ったりするのは絶対に嫌だし! でもいいなって、羨ましいなって、思ったら一回ぐらいって……男じゃダメだから、じゃあ変装すりゃいいかなって……」
いいなと。
羨ましいと。
そういえば、昨夜の黒羽もそう漏らしていた。
それを工藤は、美女にキスをされている工藤自身のことだと思っていた。一人の男として、羨んでいるのだと思っていた。
けれど違う。黒羽は、工藤の恋人として羨んでいたのだ。
「……おまえな」
「でも、ごめん。工藤のこと考えてなかった。騒がれるのはおまえなのにな。ごめん、羨ましいって、オレそれしか考えてなくて、他に頭まわんなくて……」
ごめんごめんと、馬鹿のように黒羽は繰り返した。そこまで素直に謝る黒羽を、工藤は初めて見たと思った。まるで親に叱られた子供のようだと思ったら、気づいた時にはその頭を撫でていた。
「わかった。もういいから」
「……ごめん。本当ごめん。ごめんなさい」
「いいって言ってんだろ。もう黙れ」
「ごめん。工藤ごめんなさい」
「黒羽」
何度言っても聞きやしない。止まることのない謝罪の言葉を、だから工藤は無理やり終わらせてやった。唇には口紅が塗られている。いつもと違うその感触に、少しばかり興奮した。中身が黒羽だとわかったとたんにこれだ。自分の現金さに笑いそうになった。
「……怒ってねぇの」
唇を離すと同時に、黒羽はそんなことを言う。
目線は変わらないはずなのに、どこかおずおずと見上げてくるような眼差しは、黒羽らしからぬものだった。
どう怒れと言うのだろう。あんな可愛い台詞を聞かされた後で。恋人に甘いという自覚はあったが、こればかりは仕方ない。ため息をついて、工藤は指の背で黒羽の頬をそっとこすった。
「その顔、可愛いから許してやるよ」
「……顔?」
自分が今どんな表情をしていたのか、黒羽に自覚は無いらしい。時たま自分がとんでもなく無防備な顔をしていることにも、きっと気づいていないのだろう。そんな男が、以前は世を騒がす怪盗だったというのだからおかしい。
「……工藤、こういう顔が好みなんだ?」
そういうことにしておいてもいいだろう。確かに間違ってはいない。中身が黒羽快斗である以上、どんな顔をしていたって、工藤が愛しく思うことに変わりはないのだ。
「そうなのか。へぇ、ふーん。こういう顔か……こういう顔ね」
考え込むような顔で、黒羽はふむふむと頷いている。またろくでもないことを企んでいるのでなければいいのだが。
「……いいから、さっさと行くぞ。だれかさんの所為で、当分オレはマスコミに追われ続けることになるだろうからな」
「任せろよ。オレ、逃げるのは得意だからさ」
そう言って黒羽は笑顔を浮かべる。何とも頼り甲斐のある恋人だと、並んで歩き出しながら、工藤もまた微笑を浮かべた。
...12.09.08
工藤さんが思ってる以上に、工藤さんのことが好きな快斗が可愛いなぁと。