Evergreen summer time!!


「可愛いなぁ」
 つんつん、と人差し指で突いてみる。とたん、工藤にぺしりと頭を叩かれた。
「いてっ」
「真面目にやれ!」
「真面目にやるようなことかぁ、これ?」
 少し不真面目なぐらいでちょうどいいのではなかろうか。
 何せやっていることがやっていることだ。高校生らしいと言えばそれまでだが、それにしたって男同士。互いにまっぱのフルチンで、何を言っているのだか、もう。
「黒羽」
 じと目で工藤がオレを睨む。この場で怒らせると、後々にまずいことになりそうだ。オレがというか、オレの尻がといおうか。少しはこちらの身体も考えてもらいたい。
「はいはい」
 素直に頷きながら、オレはもう一度改めて手を伸ばした。そっと触れる。触れたはいいのだが、ここからどうすればいいものかわからないのが正直なところだった。何せ初めてだ。初体験だ。
 わずかながらに焦ったが、ここはポーカーフェイスだ。自分で自分にする時のことを、そうして先ほど工藤がオレにしてくれていたことを思い出して、何とか手を動かす。
 自分がしていようがされていようが、結局は同じ男の身体だ。大体は同じことだろう。ただしその気構えは全く違うものではあったが。
「……んー」
 こしこしと、とりあえず両手を動かす。少しずつ硬くはなっているものの、まだまだ微妙な具合だ。指先の器用さには自信があるのだが、トランプとは違いがありすぎる。
「工藤」
 擦り上げながら、オレは恋人の顔を見上げた。どの辺がいいのかどうしてほしいのか、本人に聞くのが何よりも手っ取り早いと思ったのだ。いくら同じ男同士とはいえ、気持ち良さは人それぞれだ。きっと。
「……そのまま」
 言葉身近に工藤は答えた。呼吸は乱れていないが、それなりに心地良さは感じてくれているのだろうか。少なくとも悪くはないだろう。
 どうせやるのならば、この上もなく気持ちよくなってもらいたいものだ。健気にもオレはそう思い、必死に手にしたそれを擦り上げた。まあ、負けん気が強いとも言うのかもわからないが。工藤にされればあっけなく射精してしまうのに、反対にオレはそうできないだなんて何とも悔しい。負けてたまるか。見てろよコンニャロウ。
 文字通り手当たり次第に、とりあえず裏側から根元から先っぽから、色々とこすったり撫でたり軽く爪先を立ててみたりと、思いつくままに指を動かしてみれば、だんだんと工藤の表情も変わってきた。先っぽが徐々に濡れてくる。男として当たり前の現象だが、それをこうして間近で見るとなれば、感慨深くもなってくる。いやそれは違うか。
「……気持ちいいか?」
「……見りゃわかんだろ」
[13.08.18]
13.08.10発行 A5/コピー/20P/\200
残響SSと恋人新快のエロくないエロ話の2本立て。